報酬を気にせず働くというのは非常に難しいでしょうが、そういう気持ちの弁護士さんがいるというだけで何となく暖かくなりますね。
◆公設事務所:県内初開設へ 3弁護士で30日から--横浜 /神奈川(9月7日 毎日新聞)
◇過疎地の経験伝え派遣元に
弁護士がいない地域への派遣など公益性の高い弁護士活動に取り組む県内初の「公設事務所」が30日、横浜市中区に開設される。地方への派遣元とな る都市型事務所で、高知県の過疎地型事務所に3年間所属した横浜弁護士会の石川裕一弁護士(32)ら3人が共同代表を務める。石川さんは「地方と都市の格 差を都市部の弁護士にも分かってほしい」と話す。
事務所名は「かながわパブリック法律事務所」。過疎地型事務所で任期を終えた弁護士を受け入れ、新たに養成した若手弁護士を送り込む。石川さんは 「人材が循環し、情報が蓄積される事務所のモデルケースを目指す」という。労力の割に報酬が低くなりがちだったり、無罪を争うなど難しい事件も積極的に請 け負う。
「町医者みたいな弁護士になりたかった」という石川さん。弁護士2年目の04年、50年以上にわたり弁護士がいなかった高知県安芸市に新設された 過疎地型事務所に赴任した。当時は沖縄県に次ぎ全国で2番目に県民所得が低く、借金問題が相談の大半を占めた。個人の金貸しや違法な手口も横行し、家族全 体の借金整理が必要なことも多かったという。
3年間で受けた相談は約600件。刑事事件や離婚問題など弁護士としてのあらゆる仕事をこなし、「暇はなかった」。08年1月、3年間の任期を終え横浜に戻り、「過疎地での経験を伝える仕組みが欲しい」と、弁護士仲間に都市型事務所の必要性を訴えた。
スタート時の所属弁護士は3人。石川さんのほか、熊本県の過疎地型事務所を経験した北條将人さん(35)と、29日に始まる横浜地裁初の裁判員裁 判で弁護人を務める川島明子さん(39)で、いずれも任期は3年間程度。来年初めまでには、間もなく司法修習を終える新人弁護士2人が加わる予定だ。
「来る者は拒まず、フットワークの軽い事務所にしたい」。石川さんらは新しい仕事場で荷ほどきをしながら、事務所のルール作りを進めている。
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■ことば
◇公設事務所
日弁連が資金面を、地元弁護士会が技術や人材確保を支援して設立する法律事務所。00年に始まり、地方の町などに設けて弁護士不足の解消を図る 「過疎地型」(約70カ所)と、過疎地型事務所に派遣する弁護士の育成や国選弁護など公益性の高い業務に取り組む「都市型」(14カ所)がある。